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サラリーマンなのに年末調整はテキトー。確定申告をおススメする3つの理由

今年もそろそろ年末調整の時期がやってきます。毎年,難しい仕組みに頭を抱える方も多いのではないでしょうか。

そんな年末調整ですが,あきぞう(筆者)は,絶対に提出しなければいけない書類のみを提出して,あとは放置!というスタンスです。

なぜなら,確定申告義務のない会社員も確定申告を行うべき!と考えているから。
この記事では,確定申告を行わなくても良い普通のサラリーマンも確定申告を行うべき理由を3つ解説します。

なお本記事では,青色申告で節税!のような,難しいことを言うつもりはありません。確定申告はあくまで白色申告(=初心者モード)を想定しています。

年末調整と確定申告

年末調整とは

おおざっぱに言えば,「所得税支払額の調整手続き」です。

毎月,給与から差し引かれる所得税と,実際に納めるべき所得税額には’ずれ’が生じます。そこで,1〜12月の1年間の給与が確定したのちに,その’ずれ’を調整して,その年に納めるべき正しい所得税額と一致させる手続きが年末調整です。

年末調整は,所得税法第190条で定められた会社の義務です[1]。ただし,本記事内では,より日常で使われる「(会社が年末調整をするための)書類を従業員が会社に提出すること」を年末調整と呼びます。

確定申告とは

こちらもおおざっぱに説明をすると,「その年の収入や状況などを基にして,納付すべき所得税額を計算したうえで,その過不足を精算する手続き」です。

大部分のサラリーマンは,年末調整により所得税額が精算されるため,確定申告は不要となっています。

年末調整で最低限やらなければいけないこと

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は絶対に提出しなければいけません。理由は,所得税法第194条において,主たる給料をもらっている会社を通じて,税務署への提出しなければいけないことになっているためです[1]。

そのほかの書類は,必要であれば提出します。

ただし,「基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」は普通のサラリーマンで年末調整をきちんと行う方は,必須の書類になるでしょう。

というのも,今までは申告書の提出なしに基礎控除が受けられたのですが,2020年からは上記の申告書を提出しなければ基礎控除が受けられなくなるためです。

確定申告をすべき3つの理由

さて,前置きが長くなってしまいましたがここからが本題です。以下では,普通のサラリーマンでも確定申告をやった方が良いと思う理由を解説します。

会社への依存は少ない方がよい

今は会社員をできていても,それがいつまでも続くとは限りません。

リストラにあうこともあれば,辛くなって辞めたくなること,やりたいことができて退職することなどもあるでしょう。

会社員でなくなると,年末調整はできません。

そのようなときにも右往左往することのないように,できる限り,年末調整ではなく,確定申告において納める所得税を調整・確定するようにした方が良いでしょう。

年末調整というシステムには,一つの企業からの給与所得で安心して生活ができた時代の名残を感じませんか?

これからは,複数の収入源を考えなければいけない時代です。また,終身雇用制度も崩壊しつつあります。会社を中心とした考え方から,自分をメインに据えた考え方にシフトしていく必要があるのではないでしょうか。

そういった時代に対処する行動の一つとして,確定申告をおすすめします。

確定申告のほうが楽

年末調整はいろいろと面倒そう,そしてストレスフルに見えます。

難しい案内や計算,必要書類が会社の提出期限までに届かない…。

一方,確定申告は,毎年1月ごろに公開される国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを使えば,画面の案内に従って入力をしていくことで,申告に必要な書類が作成できます。
これも「簡単」というほどではないですが,ヘルプの参照が容易であったり,計算を自動で行ってくれる点は年末調整よりも便利です。

また,確定申告は年が明けてからの手続きになるので,申告に必要な書類が揃っていないことも,基本的にはないでしょう。

「サラリーマンは年末調整があるおかげで,面倒な確定申告をしなくていい」といった空気感。誰かの陰謀に思えてなりません(笑)

でも,税務署で時間がかかるんでしょ?←相談がなければそこまでです

確定申告というと,「税務署が激混み」「とにかく時間がかかる」という印象を持っている方も多いでしょう。

しかしながら,相談ごとがなく,提出のみであれば,そこまで時間はかかりません。私の住んでいる地区の税務署では,提出するだけであれば10分で終わります。開庁時間外には時間外収受箱への投函による提出もできます。

また,e-Taxや申告書の郵送により,税務署へ行かなくても手続きは可能です。

私は,はじめて確定申告をした年は,事前に申告書は準備をしたうえで,念のために,まずは相談会場へ行きました。相談会場では1時間以上待たされましたが,特に修正はなし。そのあと,窓口では5分もかからずに申告書の提出ができました。

翌年からは,会社帰りに時間外収受箱へ提出しています。

確定申告のほうがおトク

確定申告でしか受けられない控除があります(注1)。例えば,医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例分を除く)など。

また,私のような雀の涙ほどの収入しかない人は,源泉徴収されている利子・配当について,所得税分を総合課税に変更をして節税できる場合もあります。

健康だから医療費控除なんて関係ないよ←油断禁物です!

所得が200万円以上の場合,医療費控除の額は次のようになります。
 負担した医療費等 – 保険などで補填された金額 – 10万円
 ※ただし最大で200万円まで

つまり,最低でも医療費等を10万円以上使わなければ控除の対象とはなりません(注2)。

これを聞いて「自分は健康なので関係ないや」と思ったそこのあなた!
ちょっと待ってください。

私もそう思っていたのですがね…。高校生の時から10年近く病院になんて行ったことがなかったのですがね…。26歳のときに見事に病気になりお世話になりました(悲)

この年は,約29万円の医療費がかかり,約16万円が高額医療費や保険で戻ってきたため,約2.7万円の医療費控除を受けることができました。これだけか…(涙)と思わなくはないですが,ないよりはマシです。

医療費控除

あらゆる控除や制度は無関係ではない

上記の例のように,未来に何があるかは誰にもわかりません。毎年確定申告をしていると「へー,こんな控除や制度があるんだー」ということが自然と目に入ります。

どのような控除制度があるかを概要だけでも理解しておくことは,とても有益です。いざ自分がそういった制度が使える状況となったときに,それに気付けなければ,損をしてしまうかもしれません。


以上,普通のサラリーマンにも確定申告をおススメする3つの理由でした。

長い人生,確定申告と全くの無縁で過ごせる人はそう多くはないでしょう。ぜひ,早いうちから備えとして,確定申告を覚えておくのも良いのではないでしょうか。

脚注・その他の注

注1 翌年から5年間申請可能な還付申告でも良いのでは?と思う方もいらっしゃると思います。国税庁によると
確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。この申告を還付申告といいます。」[2]
とのことですので,本記事は原則として還付申告は確定申告に含まれるものとして執筆しています。

注2 独身のアラサーリーマンのためのブログにつき説明を省略をしましたが,医療費控除は世帯ごとの申請になります。家庭を持っている方は10万円は現実的な額かもしれません(ただし,申請できるのは世帯で一人のみ)。

その他注1 記事主題との関係が薄いことから,年末調整や確定申告と翌年の住民税との関係には触れておりません。

出典

[1]総務省, e-Gov法令検索 所得税法, https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=340AC0000000033 (2020.10.14閲覧)

[2]国税庁, No.2030 還付申告, https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm (2020.10.14閲覧)

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