三井住友カードから「カード差替えのお願い」という手紙が届きました。
どうやら,カード決済した店舗からカード情報が流出している可能性があるとのこと。さいわい手紙が届いた時点で不正利用はありませんでしたが,カードを交換してもらいました。
この記事では,わたしが実際に行った手続きを
- 切替えの際の注意点
- この手紙自体が詐欺じゃないのか?
という点にも触れつつ紹介します。
同じような手紙が届いた方は,慌てずにご確認いただければと思います!
注意点もあるが,差替えはした方が良い
もし手紙の内容が本当であればカードの差替えは行った方が良いでしょう(「この手紙が詐欺じゃないか?」ということは後ほど触れます)。
■メリット
- 不正利用のリスクが低減される
- 突然のカード停止リスクが低減される
■デメリット(注意点)
- 差替え手続き中は,カードが使えない
- カード番号・セキュリティーコードが変わる
- 差替え手続き中は,提携カード独自のサービスが制限される場合がある
カード情報が漏れている可能性があるということは,不正利用のリスクが高くなっている状態です。
そして案内中には「カードご利用時にお取引を保留させていただく場合がございます」[1]との文言もあり,差替えを行わないとカードが使えない状況になるかもしれないとのこと。
ただし,差し替え時にはカードが使えなかったり,差替え後はカード番号等が変わってしまうなどの注意点もあります。また,提携カード独自のサービスについても影響があります。例えば,ANAカードの場合は下図のとおり案内されています。
三井住友カード, カード差替えのお手続きに関するご案内(封書)
ちなみに,直接は書かれていませんが,ANAマイレージクラブの番号が変わってしまうため,差替え期間中にはANAカードに紐づいているマイレージ番号ではANAのマイページにログインできない状態になりました。
(ただし,ANAカードを作る前に使っていたマイレージクラブ会員の番号ではログイン可能でした。)
以上のようにいろいろと面倒なこともありますが,不正利用やカードの利用停止などのリスクを考えると差替えはおこなっておいた方が良いでしょう。
交換にかかった期間
上述したとおり,差替え手続き中にはカードは利用できません。また,カード番号なども変更になります。
・カード番号、カード裏面のセキュリティーコードが変更になります。
[2]
・Vpassでお手続き後の翌営業日より新しいカードが届くまでの間(約1週間〜10日程度)、お持ちのカードがご利用できなくなります。
メインカードとして使っている方は日々のお買い物で貯まるポイントもバカにはできません。使えない期間があるのはイタイですよね…。
そして,変更後のカード番号は実際にカードを受け取るまでわかりません※。タイミングによっては毎月の光熱費や通信料などをカード払いにしている場合は,変更ができずに正しく支払いが行えない可能性があります。
「約1週間〜10日程度」で新しいカードが届く[2]と案内されていますが,実際にはどうなのでしょうか?
わたしが実際に申請した際には以下のとおりでした。
2021.8.30(月) 差替え案内到着
2021.8.31(火) 差替え申請
2021.9.4(土) 新カード到着
この時は申請から到着まで5日間と,案内よりも短い期間で届きました。
もちろん混雑状況などによって期間は前後しますので,参考までに考えていただけると幸いです。
変更手続き
この手紙,詐欺じゃないよね?
一般に,こういった手紙が来ても慌ててすぐに手続きをしてはいけません。
この案内自体がカード情報を盗み出すための詐欺かもしれません。パスワードやクレジットカードの情報などを盗み取るには,電子メールなどに記載された偽サイトへ誘導して情報を入力させるフィッシング詐欺が有名です。
しかし,偽サイトへの誘導は電子メールではなく,手紙から行うということも理論上は可能です。2018年にはAmazonを騙った郵送によるフィッシング詐欺が起こっているとの報告がありました[3]。
いちおう三井住友カードのWebページでは,
「カード情報が第三者に流出している可能性があるお客さまへ、「カード差替え(カード番号変更)に関するご協力のお願い」という書面をお送りする場合があります。」[4]
と案内はされています。ですが,まずは慌てずにこの手紙に怪しいところがないかを確認しましょう。
日本語が怪しくないか確かめる
とりあえず手紙の内容を全部読みます。この時,内容の把握はもちろんですが,きちんとした日本語で書かれているかにも注意しましょう。それなりの企業からの案内というのは,それなりにチェックがなされています。違和感のある表現などが多用されている場合はアヤシイと考えて良いでしょう。
手紙に書かれている情報が正しいか確かめる
また,手紙の中には差替え対象カードとカード番号が書かれていました。この情報が自分が持っているカードと同じであるか確かめましょう。そして,手紙の送り先住所,名前もカード会社に登録しているものと同じであるか確かめましょう。
[1]
これらに問題がなければ,少なくともわたしが持っているカードの種類・番号,住所等を知っている方からの連絡ということはいえるでしょう。
これで大きく信憑性が増しますね。しかしながら,ここまでの情報は何らかの方法で漏れてしまって,それを元に手紙が送られてきたという可能性も否定はできません。
したがって,手続きの際には以下の点も確認しましょう。
差替え案内ページのURLのドメインとサーバ証明書を確かめる
実際の差替え手続きは手紙に記載されているURLから,カード会員向けインターネットサービスVpassにログインして行います。
ここで,大前提として,セキュリティの観点では手紙や電子メール中に記載されたURLへジャンプしたのちに,ID・パスワード・クレジット情報などの重要情報を入力することは避けた方が無難です。
手紙や電子メールが悪意を持ったものだった場合には,偽サイトへ誘導されて重要な情報を盗み取られる場合があるからです(上述したフィッシング詐欺という手法です)。
原則として手続きをする場合は,そのサービスのトップページからリンクをたどって行いましょう。
しかしながら,今回の差替え手続き案内はヒジョーにイケてない(悲
なんと,三井住友カードの専用ページからVpassにログインする必要があるのですが,三井住友カードのHPからはリンクが貼られていません。URLは手紙の中にしか記載されていないのです。
こういった場合は不本意ながらも,手紙に書かれているURLを開いて手続きをすることになります。その場合は最低限,URLのドメインとサーバ証明書の内容を確かめましょう。
具体的には,三井住友カードの正規のページとカード差替えページを開いて内容を見比べます。
これらの内容が本物の三井住友カードのページと同じであればさらに信憑性が増しますね。
これでも詐欺の可能性を完全に排除することはできませんが,わたしはこれくらいで信用することにしました。
それでも気になる人は電話で確かめる
上記のような確認をしても「どうしても不安」という方は,三井住友カードに電話をして確かめましょう。
なお,その場合も手紙に記載されている電話番号にかけるのは避けた方が良いでしょう。手紙が詐欺と仮定すれば,本当の三井住友カードの番号を載せるわけはないですよね。
電話をする際には,クレジットカード裏面などに記載されているお客様サポート(FOR YOUデスク)などを利用しましょう。有料のうえに繋がりにくいこともありますが…
差替え手続き
差替え手続き自体は,手紙に記載されたURLから案内に従って行うだけです。注意事項などが表示されるため,よく読んで理解しながら手続きを進めましょう。
ちなみに,わたしはどうしても手紙に記載されたURLにジャンプしたのちにVpassのID・パスワードを入力するのは気持ち悪かったため,
あらかじめ三井住友カードトップページからVpassにログインする
↓
紙面記載のURLにアクセスする
という手順で手続きを行いました。
おわりに
カードが不正利用される前の流出の可能性がある段階で差替えの案内をくれるという対応はさすが大手。好感が持てて安心です。
ただし,三井住友カードを装った詐欺も理論上は可能でしょう。記載されている情報などをよく確かめて手続きを行いましょう。
なお,交換時はカード番号が変更になることやカードが使えない期間があることに注意が必要をしてください。
コーヒーでも飲みながら落ち着いて手続きを進めましょう!以上です!
出典
[1]三井住友カード, カード差替え(カード番号変更)に関するご協力のお願い(封書)
[2]三井住友カード, カード差替えのお手続きに関するご案内(封書)
[3]佐藤仁, アマゾンをかたった不審な感謝状:フィッシング詐欺はメールから郵便物の時代へ(Yahoo!ニュース), https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20180214-00081591 (2021.9.19閲覧)
[4]三井住友カード, 「カード差替え(カード番号変更)に関するご協力のお願い」が届きましたが、本当に三井住友カードからの案内ですか?, https://qa.smbc-card.com/mem/detail?site=4H4A00IO&category=170&id=1739 (2021.9.19閲覧)
※ ANAカードの場合。三井住友カード ナンバーレス(NL)などVpassアプリで番号を確かめるカードについてどの程度の期間で新しい番号が確認できるかはわかりません。