このブログでも以前に往復乗車の様子を紹介したJR西日本広島エリアを運行する観光列車etSETOra(エトセトラ)。
2021年10月2日,復路のルートが変更にになりました。以前は山陽線経由で尾道から広島方面向かうルートでしたが,この日以降は往路と同じく呉線経由の運行に。
広島のお酒やおつまみが楽しめるトレインバーという復路のテーマはそのままに,瀬戸内の景色が復路でも楽しめるようになりました。
また,予約限定スイーツ「瀬戸の小箱」復路バージョンも誕生。
そんな新復路のエトセトラに2021年11月12日に乗車しましたので,様子を紹介します!
etSETOraとは
列車名の「エトセトラ」という言葉は、ラテン語で「その他いろいろ。等々。…など。」という意味があり、「えっと」は、広島弁で、「たくさんの」「多くの」という意味ももっています。「エトセトラ」で行く旅は、多くのせとうちの魅力を感じることができる、自分だけ、自分たちだけの自由な時間を愉しむ旅。
https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hiroshima/etsetora/ [1]
尾道-広島間を海沿いの呉線経由で走り,瀬戸内海特有の多島美,カキ養殖や造船といった産業など,さまざまな風景が楽しめる観光列車です。
列車は,普通列車グリーン車の扱いとなっています。
車内の様子・車窓の風景
いざ乗車!車内の混雑具合は?
今回わたしは尾道駅からではなく途中の三原駅から終点広島駅まで乗車しました。
列車は定刻は三原駅を定刻15:54に出発。
乗車日1週間前にきっぷを買った時には最後の一席と言われましたが,車内は8割程度の乗車率。(キャンセルやきっぷは買ったが乗らない方もいるのだと思います)
そもそも1両あたり乗車定員が18-20名のため,満席時にもそれほど窮屈感はないと思いますが,今回もそれほど混雑しているという印象はなく,ゆったりと過ごせました。
この日は1号車はおそらくツアーの団体と思われる方々が。個人客はほとんど2号車にのっているようでした。
わたしの席は2号車,4人テーブルの一席。「3人グループと相席だったら辛いなー」と考えていましたが,他の方も一人で乗車されていたようでひとまず安心。
三原駅での乗車時にはすでにバーカウンターの営業が始まっており,すでにお酒を楽しまれている方もいるようでした。
尾道から山陽線を辿ってきたエトセトラはここ三原から呉線へ入ります。
景色
海沿いをゆく呉線では瀬戸内独特の自然とそこで営まれる産業・暮らしの風景などが楽しめます。
15:10頃には「最も海に近い場所」ということで安芸幸崎(あきさいざき)-忠海(ただのうみ)間で1・2分程度停車するという演出が。
路線から海まではこの近さ。
ここから見える風景はぜひ乗車してお確かめください。
また,この付近では呉線名物(?)の減速走行もあり,のんびりと景色を楽しめます。
ほかにも,
- 造船工場や造船用クレーン
(わたしが乗車した日には造船中の船も見られました) - 瀬戸内特有の多島美・牡蠣の養殖産業
(島々や牡蠣いかだなどが見られます) - 夕方の風景
(乗車日は日の入が17時頃だったので車中で夕暮れのひと時を堪能しました)
のような景色が印象的でした。
記念撮影タイムも
安芸津駅を出て少したった15:50頃には,アテンダントさんが車内をまわり,お手持ちのカメラやスマホで記念撮影をしてくれます。
乗車記念ボードも持ってきてくれるので,いっしょに撮影をすると良い旅の思い出になるでしょう。
予約限定スイーツ「瀬戸の小箱」復路Ver.
エトセトラで提供される事前予約限定スイーツ「瀬戸の小箱」。2021年10月2日に復路バージョンが登場し,現在は往路と復路でそれぞれ異なる内容の小箱が2種類ずつ提供されています。
復路は瀬戸の小箱~チ~と瀬戸の小箱~焼~。今回はそれぞれ1つずつ注文しました。
瀬戸の小箱〜チ〜
瀬戸の小箱〜チ〜は広島市marco chocolaterieのチョコレートセット。クランブルチョコ5種類とグレインチョコ(ナッツや果物を包んだチョコ)3種類のセットです。
日によって変更があるかは分かりませんが,この時の内容は次のとおりでした。
■グランブルチョコ
- ナッツ
- バナナ&コーヒー
- ストロベリー
- ピスタチオ
- ピオーネ&いちじく(エトセトラオリジナル)
■グレインチョコ
- アーモンド
- ヘーゼルナッツ
- はっさく(?)ピール
たくさんの種類があり「次はどれを食べよう?」というワクワク感がある小箱です。
瀬戸の小箱〜焼〜
瀬戸の小箱〜焼〜は福山市ドルセ洋菓子店のミニタルトセットです。
ティラミス味とエトセトラオリジナルのレモン,いちご味の3種類が2つずつ,計6個のセットとなっています。
サクッとしたタルト生地の中にベースのマスカルポーネ入りチョコスプレット。そして,それぞれの素材が彩られた一品です。
タルトやベースは甘めですが,コーヒー・ココアの苦味,レモンは皮のピールの食感や香り,いちごの酸味などそれぞれに変化がありおいしくいただくことができます。
両方とも価格は税込2,000円。
「少しプレミア価格かなー」と感じていましたが,実際に食べてみるとチョコもミニタルトも大量に食べるものではないので,二人で一つでも十分満足できると思います。そう考えると,値段も納得です。
トレインバーで楽しむ広島のお酒
エトセトラ復路では1号車バーカウンターでお酒とおつまみの販売が行われています。
メニューは公式ページ中ほどに掲載されているので気になる方は確認してみると良いでしょう。
県内企業であるサクラオのクラフトジンとアヲハタのフルーツスプレッドを使ったオリジナルカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」をはじめ,いろいろな広島のお酒が楽しめます。
有名地酒から新進気鋭のメーカーまで
灘・伏見とならぶ酒処の西条を抱える広島県。そんな広島県の各地(西条・三原・竹原・安芸津・安浦)の日本酒を飲み比べられます。
また,そんな伝統的なお酒を味わえるだけではなく,広島酒造界の新風も体感できます。
例えば,日本酒スタートアップ企業ナオライが2019年に発表した浄酎(じょうちゅう)。日本酒を一般的な蒸留酒とは異なる”熱を極力加えずに蒸留する”独自製法で旨みや風味を残したお酒だぞうです[2]。
ほかにも,2019年設立,竹原市の瀬戸内醸造所のワインも興味深いです。わたしの乗車時にはSETOUCHI Umi seriesの2019 Momoenami カベルネ・ソーヴィニヨンというロゼワインが提供されていました。
ブドウは兵庫県神戸市産,石川県のハイティワイナリー委託醸造で584本の製造。酸味が印象的な一杯でした。
2021年には三原市に自社ワイナリーをオープン[3]したようで,これからの展開がますます楽しみです。
種類がすごく豊富なわけではありませんが,有名地酒から近年登場した新しいお酒まで,広島お酒事情が概略できるおもしろいラインナップです。
注意点
呉線,揺れます
運行ルートの呉線はけっこう揺れます。
バーカウンターで飲み物を買って席まで持って行く際は,こぼさないように注意しましょう。
揺れ自体は旅情を感じさせくれるものなので,楽しみながら乗れると良いですね。
バーカウンター終了から広島駅まで約50分
バーカウンター(兼車内販売)の営業は呉駅で終了します。呉駅から終点広島駅までは約50分。線区間は単線なので対向列車通過待ちなどもあり意外と時間がかかります。
この間はとくに特別な見どころなどがあるわけでもなく,手持ちぶさたになりがちです。
呉駅につく前にバーカウンターで飲み物やおつまみを買っておくか,あらかじめ乗車時に何か持ち込んでおくと良いでしょう。
日差しがまぶしい場面も
エトセトラは基本的には南側にみえる瀬戸内海の景色がウリの列車です。ということは,みなさんお分かりのとおり,時期や時間によってはまぶしくなりがちです。
相席になることも多く,観光列車という特性上,カーテンを使うのもなんだか気をつかう。
そんな場合は,サングラスなどがあると良いかもしれません。
おわりに
「せっかく広島に来たからには瀬戸内の景色を楽しみたい」という方には嬉しいルート変更だったのではないでしょうか。瀬戸内のイメージがより濃い列車になりました。
以前の記事でも述べたとおり,駅で盛大に迎えてほしい方や至れり尽くせりの車内サービスを求める方には少し物足りない列車です。しかしながら,肩肘はらずに自分たちの旅行を楽しみたいという方にはぴったりの観光列車でしょう。
広島へご旅行予定の方はetSETOra,検討してみるのも面白いのではないでしょうか!
<関連サイト>
■etSETOra(エトセトラ)|観光列車旅の時間
JR西日本のetSETOra案内ページです。まずはこちらを確認すると良いでしょう。
<etSETOra関連記事>
■瀬戸内の魅力たっぷり! 観光列車etSETOraエトセトラ 往復乗車記【JR西日本】
往路と旧復路の様子,車内設備などについてはこちらの記事をご確認いただければと思います。
■観光列車etSETOraエトセトラに乗るには?きっぷ購入・予約方法
etSETOraのきっぷの買い方や「瀬戸の小箱」の予約方法について解説しています。
<関連記事>
■実際に宿泊! 広島市おすすめホテル6選(〜9000円台)
広島市のホテルをお探しの方はぜひご確認ください。
■SEA SPICAシースピカ乗船記【瀬戸内クルーズ】
三原港ー広島港をむすぶ観光型高速クルーザーSEA SPICAの乗船記録です。瀬戸内の多島美やかるい島の観光などもできて,こちらもオススメです。
出典
[1]JR西日本, etSETOra(エトセトラ), https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hiroshima/etsetora/ (2021.12.5閲覧)
[2]ナオライ株式会社, 浄酎 – Purified Spirit』の広がるその先に。(MOTTAINAIもっと), https://mottainai-motto.jp/project/detail/541?fbclid=IwAR26ik8so7LIQAdvPOOzwq2HYKzm4poNmgDtoLwAphFTGM1oip5mA35VtIU (2021.12.5閲覧)
[3]瀬戸内醸造所株式会社,「SETOUCHIを旅する」ワイナリー併設レストラン『瀬戸内醸造所レストランmio』、2021年4月26日にオープン(PR TIMES) , https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000069977.html (2021.12.5閲覧)